コンテンツ
 
ホーム
コンテンツメニュー
会社概要
事業内容
トカダの意味
サイトマップ
リンク
お問い合わせ
慢学インドネシア
 
 
BACK CONTENTS MENU NEXT

現地進出支援

起業家(Entrepreneur)から見たインドネシアの産業商業辞典

【はじめに】 1998.10 吉日 田口重久初稿    2001.09 吉日. 追加・修正 by UCH. Co. Ltd.

この報告は、これから日本とインドネシアを繋いで起業したい人と、既に事業展開をしている会社の業務範囲を広げていきたい人の為に便宜を図るのを目的としている。編者が長年蓄積した経験を基に、書籍やインターネットからの情報と、各分野の専門家の意見を適宜加えて作成した。

経済的・商業的な数値は、この「辞典」が意図する範疇を越えるのでここには記載しない。各自、資料を検索の上、調査して頂きたい。各種産業の分類は、日本経済新聞の株式欄の記載順にしてある。この分類方法が不適当な場合には、項目を細分化した。


1.水産 - 2.農林 - 3.鉱業 - 4.建設 - 5.食品 - 6.繊維・パルプ・紙 - 7.化学 - 8.石油・ゴム・窯業 - 9.鉄鋼・非鉄・金属製品 - 10.機械 - 11.電気機器 - 12.輸送用機器 - 13.精密機器 - 14.その他製造 - 15.商業 - 16.金融・保険 - 17.不動産・陸運・海運・空運 - 18.倉庫・運輸関連・通信 - 19.電力・ガス・サービス - 20.健康産業 - 21.観光業 - 22.民芸品

業 種

アイテム

現状と展望

 

1.水産

【全貌】インドネシアは海洋国家であり、水産資源には恵まれている。現時点で日本企業が参入しているものには次のものがある。(別掲にて個別アイテムの解説を用意した。)

1.1

生鮮魚介類

 

1.1.a

マグロ

東ジャワのバニュワギとパスルアンまでの北海岸に基地があり、水揚げされたマグロは、冷凍されて日本に輸出されている。大手商社が介入している。

1.1.b

えび

東ジャワのスラバヤ付近が産地である。このビジネスには大手商社が介入している。えびは値段の上下が激しい相場商品で、難しいビジネスである。

1.1.c

淡水魚

現時点では全くない。グラメと呼ばれる白身の底魚や、イカン・マスと呼ばれる鯉の一種が美味である。特に後者は川魚独特のY型の小骨がない中型魚で食べやすい。養殖は簡単。

1.2

水産加工品

 

1.2.a

チリメンジャコ

日本人が既に漁獲の大半を押さえている。現地でもチリメンジャコは消費されている。

1.2.b

かつお節・サバ節

サバ節はかつお節の増量材として使われている。サバはインドネシアで大量に水揚げされるが、比較的小型である。製造設備が簡単だが、製品単価が安価で、中間業者に買い叩かれやすいという問題がある。

1.2.c

魚介類の干物

インドネシアでも干物の需要はあり干物を製造している。スルメを除き、主に揚げ物料理に使われる為、味付は日本人の食感には合わない傾向がある。

1.2.d

スモーク製品

バンデンという魚の薫製品がある。製品のままでは少々生臭いが、少し手を加えれば、日本人の食感に合う可能性はある。スマラン市のPRESTOという会社の製品が美味かも知れない。

1.3

工業用原料

 

1.3.a

海藻

現時点では、原材料を日本に輸出しているだけで、現地には加工業がない模様。テングサ類が主たる輸出品目。インドネシアからの輸出はそれほど実績が無いため、出荷時の品質管理には未だに問題が残る。日本とのビジネスは概ね長続きしていない様子。

1.4

宝飾品原料

 

1.4.a

真珠

東ヌサトゥンガラ州、アンボン州など、波浪の少ない地域では真珠の養殖を行っている。養殖中の盗難が多く採算性に課題を残す。

 

2.農林

【全貌】インドネシアは農業産品の種類と生産量が多い。しかし自国消費分が過半で、輸出品目は一部を除き限られている。尚、主食料は政府管理下にあり、現状では輸出は難しい。政府内部ではBULOGという調達局が食料調達を管理している。全土に渡り熱帯雨林気候だが、農業未開発地帯が未だに多く残され、資本と販途拡大の努力と、更には農業技術が足りないが故に、作付け・収穫量などに限界があると聞いている

2.1

穀類

 

2.1.a

コメ

コメはインドネシア人の主たる食料であり、平均して一人当たり白米で15kg/月の消費だと言われている。1998年時点では、エルニーニョによる干ばつによって、コメが不足している。米の種類が日本米とは若干異なる。

2.1.b

主としてパンと菓子材料に消費される。国内産出量が少なく、ほぼ全量輸入に頼っていると思われる。

2.1.c

大豆はインドネシア人の主食の一つであり、国内産出量も多い。そして全て国内で消費されている。豆は小型であり、日本で言う「うらなり」程度の寸法である。様々な大豆加工品もある。

2.1.d

芋類

インドネシアは芋の原産地の一つになっていて、里芋類、こんにゃく芋、サツマイモ、キャッサバ(タピオカ)などの産出量が多い。こんにゃく芋を除き全て国内消費にまわされている。

こんにゃく芋は利益率が高いが、インドネシア側ではなく、国内農家保護目的で日本政府の農林政策上日本への輸入割り当てがあるので、参入には注意が肝心である。こんにゃく芋を材料にした詐欺が現地では横行している。

インドネシアではキャッサバを凶作時の予備食料として栽培する場合が多い。キャッサバは、そのまま茹でたり揚げたりして食用に供しているだけではなく、でん粉含有量の高さからエタノール製造原料としても需要が高い。

里芋は水分が多く、病虫害の危険が高いので輸入の際には通関時の防疫に充分注意を払う必要がある。インドネシアの原種と日本の里芋種を持ち込んで現地栽培をしている場合とがある。

2.2

商品作物(食品・嗜好品)

 

2.2.a

砂糖

水田をサトウキビの栽培に使用している場合もあるが、古くからの熱帯プランテーション方式で自家栽培あるいは契約栽培していると聞いている。

なお、生産された砂糖は全て国内消費にまわされ、輸出余力はない。

サトウキビの絞りかすは、従来は砂糖工場の燃料として使われていたが、近年には、味の素などの発酵産業の材料として使われている。また、サトウキビの繊維を用いて製紙業を起こそうとしている傾向がある。

2.2.b

コーヒー

砂糖と同じく、熱帯プランテーションの産出品の一つである。大半が国内消費にまわされている。キー・コーヒー社がスラウェシ島で栽培しているトラジャコーヒーは、ブランドものとして珍重されている。

インドネシアの主力コーヒー種は、ジャワ・ロブスターとスマトラ・マンデリンであり、前者は生産量は多いが、味と香りが少なく日本ではコーヒーの増量材に充当されている。後者は美味だが、日本への輸出はあまり多くない模様。前者は主にジャワ島、後者はスマトラが主産地である。その他の諸島でも大量に生産されている。

ドル建ての製品輸出で、活況を呈しているコーヒー輸出業者が多い。

インドネシアではコーヒーの入れ方から、微粉末までグラインドしたきついローストが好まれる。その為、日本式の入れ方では美味しくない。

中小商店が独自でコーヒー園を運営しているケースがあり、コーヒーは美味でも、生産量が少ない。販売方法に今後の工夫の余地がある。

2.2.c

緑茶が出回り始めてはいるが日本製の緑茶に比べると味も香りも劣る。

インドネシアのお茶は日本では缶入り飲料で販売されている「ジャワティー」そのものである。

主生産地は、西ジャワ州プンチャック峠付近と、中部ジャワ州のヲノソボ市一帯。インドネシアの市場で購入した茶葉には埃や不純物が多く、お茶を入れる前に必ず熱湯で茶葉を洗う必要がある。

2.2.d

香辛料

スペインの世界侵略に於いて、目的の一つになったもので、香料列島と呼ばれる島嶼群がインドネシアにはある。今でも胡椒、丁子(クローブ)などの香料が大量に栽培されている。

胡椒はスマトラ南部のランポン州などが有名。丁子は全土で栽培されている。インドネシアでは丁子を調理に用いるだけではなく、医薬品とタバコに混ぜてるため、丁子を東アフリカ諸国から大量に輸入している。

2.2.e

たばこ

タバコは人口増加に伴いその消費量が増大したが、1998年の経済危機による国民の購買力の低下に伴い消費量が下がりつつあるようである。

主産地は中部ジャワ州ヲノソボ市一帯、東ジャワ州ボジョネゴロ町一帯。

なお、インドネシアではタバコは専売ではなく、中小業者が乱立している。

2.2.f

食用油

インドネシアで使われている食用油(揚げ物用の油)の大半は椰子油であり、農村部では自家栽培のココ椰子の果肉から油を絞っている。

商業的には椰子油は、油椰子(サウィット)と呼ばれる椰子から採取される。ココ椰子とは異なり、ピンポン玉大の実が一本に数百実る種類である。。

食用油は長期保存が効かない上、国際商品でもある故に、国際価格に左右される。従って都市部で購入する食用油は、インドネシア庶民にとって必需品位近いが極めて高価になる。

サラダ油は、生野菜をサラダとして油をかけて食べる食習慣が現地では一般的ではないため、外国人向けの食料品店でのみ入手が可能。

椰子油は食用油としてと共に、工業材料としても輸出されている。

2.3

果物

 

2.3.a

熱帯果物

インドネシアは全土が熱帯多雨地域であり、果物の産出量が多い。しかしながらインドシナ諸国の産品に比べると果物の味が劣る物が多い。また、プランテーション化がなされていない為と、日本への輸送距離が長いために、競合するフィリピンに、品質と輸出実績では水をあけられている。

2.3.b

柑橘類

日本に比べて、柑橘類の種類と産出量が多い。ミカンコミバエの伝染を防ぐために生の柑橘類を日本へ輸出することは不可能な現状である。

2.4

生鮮野菜

 

2.4.a

全体

市場には日本とほぼ同じ種類の生野菜がある。ジャカルタ市一帯に供給しているのは、バンドンの高原地帯で栽培されている生野菜が主である。またスマトラ中部の山岳地帯では、生鮮野菜をシンガポールに輸出している。牛蒡(ごぼう)や山葵(わさび)の現地生産と日本向け輸出は少量ながら実績がある。中国から輸入している製品を通貨危機以降にインドネシアからの輸入に切り替えを検討する企業が出始めている。

 

生姜

生姜もインドネシアで大量に栽培されている。日本産のものより香りと味が強い。東南アジア一帯で栽培されている生姜はこの種のものである。

病虫害が居るので、輸入を計画する際には検疫所と充分事前打ち合わせする必要がある。「泥付き」野菜は、検疫上一切輸入が禁じられている。

2.5

きのこ類

 

2.5.a

マッシュルーム

主に中部ジャワ州のヲノソボ市北側に広がるディエン高原にある、カルデラ湖沿岸にある栽培施設で生産されている。この製品は日本業者のもので既に日本には沢山入ってきている。スーパーマーケットでもお馴染みである。

2.5.b

タケノコ

竹もインドネシアには多く、タケノコ料理もインドネシア人のお惣菜品目である。ただし栽培努力が足りないためか、美味な種類は少ない。今後、栽培技術をインドネシアに移転して生産量をあげることも考えられるが、輸送距離の関係から、ベトナムのタケノコの方が依然有利と思われる。

2.6

換金作物(工業材料)

 

2.6.a

天然ゴム

古くからの戦略物資の一つ。主産地は北スマトラでだが、全国的にも栽培されている。国際シンジケートに組み込まれているため新規参入は難しい。

2.7

畜産業

 

2.7.a

酪農

インドネシア人はもともと牛乳を飲まなかった。しかしここ十数年間で牛乳を飲む習慣が徐々に広まってきた。それに伴い、乳牛の飼育も増加したが、熱帯特有の病気の多さがリスクといえる。今後、収入の増加に伴い、アイスクリームなどの消費が増えるにつれ、乳製品の消費が増える可能性がある。

2.7.b

畜産

インドネシア共和国国民の85%がムスリムであり、豚はイスラム教上不浄とされる為、国内消費向けの養豚業は華僑系住民を除き少ない。尚、インドネシア国外向けの需要に対処する為の養豚並びに屠殺業は若干存在する。

一方、食肉牛と水牛は一般農家で飼われているのを屠殺するようである。大型の食肉牛牧場は寡聞にして知らない。豪州で飼育された牛の最終的な仕上げと屠殺を行う施設はある。牛以外の食肉動物には山羊があり、これも自家飼育を屠殺し、食肉として提供する場合が殆どである。

2.7.c

養鶏(肉)

都市部ではブロイラーに、農村部では地鶏に頼っている。ブロイラーは日本と同様、鶏舎で人工飼料を与えて集中飼育する。地鶏はほぼ放牧に近い状態で飼育している。人工飼料は殆ど全て輸入に依存しており、通貨危機の際には、輸入飼料の高騰に依る採算性の悪化で、数千羽の鶏を廃棄した例がある。ブロイラーはKFCなどの大口鶏肉消費者と都市部の市場に卸されている。従って養鶏業者は都市近郊に数万羽をまとめ飼いしている。

一方、地鶏は農村部で放牧されており飼育管理が難しい。しかし粗食にも耐え、病害にも強く、食味も良い一方、体型が小型な難点がある。

2.7.d

養鶏()

鶏卵もレグホンのものと地鶏の二種類があり、前者は日本と同じ寸法なのに対して、後者はSサイズよりも小さいが、食味が良い。しかしながら、後者は採卵が難しい故に、古くなった鶏卵も混じっている危険が高い。鶏卵の選択、業者の選択には十分な注意が必要である。

2.7.e

アヒル

インドネシアでは、ジャムゥという伝統薬をアヒルの卵の黄身とともに飲む習慣がある為に、アヒルの卵は鶏卵より高額で取り引きされている。アヒルは集団飼育されている場合が多い。これは、アヒルに帰巣本能が少ないためである。

 

3.鉱業

【全貌】インドネシアは国土が広い上に熱帯地域である故に、石油、天然ガス、石炭の化石燃料だけではなく、鉄、銅、アルミニウムなどの天然資源に恵まれている。

3.1

石油・天然ガス

石油と天然ガスは国営石油会社のプルタミナが独占している。米系メジャー各社はインドネシア政府から許可を得てそれぞれの鉱区で操業している。

3.2

アルミニウム

原材料であるボーキサイトが豊富に埋蔵され、水力発電で安価な電力も賄えるので有望だが、他国にも競合相手が多く、採算確保は難しい。

 

4.建設

【全貌】1998年までは経済の伸長にともない、ODAとプライベートを問わずインフラ整備目的に沢山の案件があった。しかし経済危機に伴い多数の案件が中止されている。

インドネシアの大手建設業者は、財閥系と政府系に分けられる。前者には建築業者が多く、後者には土木業者が多い。代表的なものに、前者ではジャヤ・コンストラクション、後者には、フタマカリヤ、ウィジャヤカリヤ、ワスキタカリヤなどがある。筆者は建築関係業界に詳しくは無いが、政府系の土木業者は技術力のみならず資金力でも劣り、資金不足による工事遅延が一般的であると考える。

4.1

電力

電力設備の建設は近年まで電力公社であるPLNが一手に行ってきたが、ここ数年はIPP(私営発電会社)の計画が実施に移されてきている。一方、前出の経済危機のため、電力需要が減少してきているためと、ルピア安の為に発電プロジェクトの資本回収が難しいとの判断から、中止になっている案件が多い。これは、IPP案件のみならずPLNの案件でも、その一部にサプライヤーズ・クレジットを使用した案件も含まれている。

4.2

インフラ

産業を活発化させる為には、道路港湾などの物流システムの構築が不可欠であるが、前出の通貨危機とスハルト退陣の政治危機により、政府予算が全く不足して、新規案件の開始が危ぶまれている。

4.3

通信

通信案件も同様に通貨危機の影響を受けており、電話加入申し込み者が大量に申請を取り下げている。

4.4

関連業種

建設関連業種として、日本では人件費が高くて採算が合わないCAD図面を描かせて、インターネットで通信する工夫が一部始まっている。

 

5.食品

インドネシアの食品産業は、手工業で作られているインドネシア人達が主食にしているものと、マスプロ製品とに分けられる。前者は、テンペなどの伝統的な食品であり、後者にはインドミーなどのインスタントラーメンがある。

安価な人件費を唄い文句に、レトルト食品やビン詰めに加工した日本食を日本に輸出したいという希望が沢山ある。半完成品(下拵えをした製品)を冷凍或いは冷蔵で日本に輸入する例も出てきている。冷凍食品工場は既に幾つか出来ている。

 

6. 繊維・パルプ・紙

【全貌】経済の伸長に伴い、80年代に繊維産業が急速に発達し、日本からだけではなく、台湾、韓国それに欧州の企業も多くの現地法人を設立し進出した。これらの工場は主に化繊製品が多く、ジャカルタ西部のタンゲラン市とバンドン市南郊に集中している。1998年の経済危機により国内需要が極端に落ち込み、従業員を解雇しても採算が取れない会社は多い一方、欧米に向け輸出で活況を呈している工場もある。

6.1

紡績

国内需要の関係から、化繊製品が多く、石油コンビナートと連携したプラントがタンゲラン市には多い。輸出で繁盛している工場もある。

6.2

紡織

紡績と同じようにタンゲラン市とバンドン市に工場が集中している。バンドン市は西ジャワ州の州都でもあり、安価な労働力が得られる地点にあるが、大消費地のジャカルタに遠いという面ではタンゲランに不利である。

6.3

縫製

近年、マスプロ方式による縫製業が発達してきており、従来の「町の仕立屋」は廃業の傾向にある。また紳士服等の縫製は、あくまで例外は居るが、日本の職人と比べると技術レベルが低く、仕上げも期待できない。

6.4

パルプ

6.5

 

7.化学

【全貌】化学産業といっても、インドネシアでは主に繊維関係と化学肥料産業が主である。医薬品は外国系の大手数社のみが操業している。

7.1

繊維

上述の「6項」を参照されたし

7.2

肥料

国策会社のププク・スリウィジャヤが有名である。

7.2

プラスチック

大型の工場は少なく、大部分が家内工業的な少規模工場である。これらの企業は経営的に安定はしていないが、少量多品種の製造には向いている。

ポリエチレン樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニール製品も大量に出回っている。工場を視察したところ、これらの原材料は日本からの輸入品が多かった。

但し金型製作の技術力がなく、外国からの輸入に頼っている模様。インドネシアで購入するプラスチック容器には日本語が表示されているものが多い。

 

8.石油・ゴム・窯業

 

8.1

石油

上述の「3.1」を参照されたい。

8.2

ゴム

ブリジストンなどの大手が参入しているタイヤ業界が、現地ゴム産業の生産高の大半を占める。その他のゴムの需要は、ゴムカーペットやパイプラインの伸縮管、鉱山や化学プラントの粉体を移送する管路の摩耗が激しい部分にゴムライニングをしたパイプ、バルブ類、パッキングなどがある。

タイヤ業界以外は少規模のゴム工場が多く、小型で旧式の設備を持った企業が大多数である。その企業の一部は植民地時代から続く歴史を持ち、地方自治体の企業局傘下にある企業もある。

工場を視察すると、天然ゴム以外の主材料は日本からの輸入品が多かった。

8.3

窯業

 

8.3.a

煉瓦・瓦

最大の需要は主にイネ藁と薪を燃料とした低温焼結の屋根瓦(ゲンテン)と煉瓦(バトゥ・バタ)であり、各地方その需要にあわせた家内工業で行われているから単価は極めて安い。

ジャカルタ東郊外には、地面の上に直接屋根を置いただけのような奇妙な形の煉瓦窯が多く見られる。

インドネシアの低層建物の壁材量は煉瓦であり、伝統的な住宅の屋根はゲンテンと呼ばれるオレンジ色の瓦である。両方とも焼結が不足しており、長期間湿気に暴露されると簡単に崩れてしまうので、漆喰などの防湿が必要である。それゆえ、インドネシアの代表的家屋はオレンジ色の屋根に白壁である。

8.3.b

セメント

インドネシアはセメントの主材量の石灰石に恵まれている。恐らく産業振興と雇用促進政策だろうと思われるが、各地にセメント工場がある。

ジャカルタ近郊では、チビノン郡一帯に、セメン・チビノン、セメン・ティガロダ、セメン・クジャンなどの工場がある。セメント産業は設備産業であり、原材料はその近くから採取するので、ルピア安の影響はさほど受けてはいないが、設備の償却費とドル債務が経営を圧迫していると思われる。

住宅建設のコストのうち最も大きい部分を占めるのがセメントである。

8.3.c

石灰

上述のように石灰石に恵まれており、チアンジュール付近には漆喰や白墨の工場が林立している。

8.3.d

陶器

インドネシア産の陶器は中国産の製品に比べてまだ割高であり、一般庶民が使っている食堂や屋台の食器は殆ど中国製である。インドネシア製の食器は、値段の割には品質が良いと思われる。

トイレなどの衛生陶器は店頭に表示してある商品を見るとTOTOINAでシェアの過半を占めている模様。低価格ではあるが、日本の基準に合致しているかは確信が持てない。

 

9. 鉄鋼・非鉄・金属製品

【全貌】インドネシアには一貫製鉄所はなく、国営クラカタウ・スティールも半製品であるビレットの輸入により製鉄を行っている。

9.1

製鉄

製鉄所とよべるのは国営クラカタウ・スティールのみである。この製鉄所は近代的な設備を備え、製造した鋼板を近隣の鉄工所に運べるような計画がなされている。

9.2

製鋼

製鋼所は何社かあるが、製品の質は一般鋼材(JIS G 3101 SS400)とまりであり、SM(溶接構造用鋼材)や高張力鋼は輸入に頼っている。

更にH鋼は殆ど製造しておらず、輸入に頼っている為、上記のクラカタウ・スティール近隣の鉄工所で溶接構造で鋼板を切断溶接してビームを製造している。この会社以外の製鉄所としてはグナワン・スティールがあるが、同社の製品には品質が劣るものが多かった。

9.3

合金鋼

代表的なものにステンレスがあるが、これも輸入に頼っている。

9.4

 

9.5

アルミ

代表的な会社としてメダンにある「日本アサハンアルミ」があげられる。この会社が操業しはじめた時から、アルミの市況価格が下落しつづけ、操業開始以来数年経過してからようやく市況価格が持ち直し、輸出を始めたという残念な経緯がある。

9.6

金属製品

 

9.6.a

鋳造

大型の鋳造工場は少なく、上記のクラカタウ・スティール以外にはジャカルタとスラバヤに中規模の工場が数社あるのみ。過日ステンレス鋳鋼の見積もりを依頼したところ鋳造単価が日本製より高かった。

低技術レベルで製作ができる井戸ポンプなどは、各地方に小規模で原始的な鋳造場があり、ほとんど全て手作業で製造されている。それが故にか、品質と歩留まりとは悪い。

9.6.b

鍛造

クラカタウ・スティール以外には、国営のバル造船、バラタ鉄工所、ボマ・ビスマ・インドラ以外には鍛造プレスがない模様。鍛造品は主に大型の鋼構造物や機械部品に使用されるため、輸入品がその大半を占めているようである。というのは、鍛造品の元となる鋳造品の製造がインドネシアでは経済的に引き合わないからだろう。

9.6.c

鉄工所

大型の溶接構造物を製造している会社は少なく、半官半民であるバラタ鉄工所とボマ・ビスマ・インドラ、アマルタ・カルヤが大手三社である。前の二社は古くから総合機械工業として、機械の製造から鋼構造物までを製造してきていたが、アマルタ・カルヤは公共事業省の機械修理工場から発展したもので、主製品は鉄塔、水門、鋼管などである。製品の品質と納期、更には資金力の点でこれら三社には問題がある。

この他にも私営企業か多くあるが、例え高性能の生産機械を持っていたとしても国内需要を満たすだけの技術力しかなく、高度な技術レベルを必要とする輸出製品の製造にはお勧めできない。

筆者が視察した中で、最大のターニング(旋盤)は直径5.5mまでの切削のできる機械があった。

9.6.d

ダイカスト

YKKがアルミダイカスト製品工場をジャカルタ西部に持っていて、各種のアルミ製品を市場に出している。その他にもダイカスト会社が有りそうなので、玩具を製造させても良いだろう。

 

10.機械

【全貌】この分野は技術集約型であるゆえ、インドネシアでは殆ど発達していない。今後も先進国からの輸入に依存する傾向にあろう。

10.1

工作機械

製造工場はなく、全品輸入に頼っている。

10.2

産業機械

一部は自作しているが、殆ど全てがノックダウンか完成品輸入である。

10.3

繊維機械

同上

10.4

油圧機器

ショックアブソーバ等自動車部品メーカーのカヤバなど、インドネシアに工場を持つ会社もあるが、殆ど全てがノックダウンか完成品輸入である。

10.5

建設機械

コマツの様にメンテナンス目的を兼ねて部品の一部を現地法人で自作する例もあるが、殆どすべてがノックダウンか完成品輸入と考えて良い。

10.6

ポンプ

同上

10.7

化学装置

同上

10.8

機械部品

同上

 

11.電気機器

【全貌】家電製品のほぼ全機種が日本業者に席巻されている。松下、三洋電機、ソニー、アイワ、など大手各社がインドネシアに工場を持ち、歴史の長いフィリップス以外の欧州他社の製品が市場に出てくる機会は少ない。華僑系企業が日系企業に依る製品を装ったブランドと体裁を繕い販売する例がよく見られる。

11.1

家電

大手業者が参入していて市場を席巻しており、一般家電の部門では新規参入は難しい。懐中電灯などの低価格品には大手と競争可能な製品分野はあると思われる。日系企業が製造した家電製品の中古品需要がある。

11.2

重電

大型の発電機や変圧器の修理のみで、小型のものを除き全量を輸入に頼っている。

11.3

電子機器

技術・材料のほとんどを輸入に頼っているため外資系がほとんどでありジャカルタの工業団地にエプソンなどがドットプリンターなどを製造している。

11.4

制御機器

全量輸入に頼っている。

11.5

通信機器

全量輸入に頼っている。

11.6

測定機器

全量輸入に頼っている。

11.7

電池

マンガン乾電池やアルカリ乾電池は自国で製造している。代表的な会社にABCバッテリがある。同社のアルカリ乾電池は性能が良く、輸出もされている。

 

12.輸送用機器

 

自動車の完成車の輸入は新車・中古を問わず原則禁止。しかし商用車(トラック、RVを指す)の輸入は政府の特別輸入枠を持つ運送業を営む企業などが、主に中古トラックを輸入している。周辺機器なども同様。

 

13.精密機器

コンピュータ他

基幹部品を米国並びに周辺諸国から輸入してPersonal Computerをアセンブル生産する技術と会社はある。一方、半導体などの現地での製造は殆ど無い。

 

14.その他製造

 

 

15.商業

流通業・商社

インドネシア国籍の者しか参入出来なかった流通業にも、外国人或いは外資の参入を認める方向にある。日本の総合商社はインフラ関係を始め各分野に歴史的にも深く関与している。今後は専門商社の活躍や日本の流通業者による現地直接買付の動きが期待される。

 

16.金融・保険

銀行、証券、生・損保他

1997年末以降の経済危機により、銀行を始め各分野で事業展開する企業が倒産するなど、金融市場全体が再編成の過程にある。欧米系企業に依る企業買収や市場参入が一層活発になり、シティバンク・グループが業績を伸ばしている。

 

17.不動産・陸運・海運・空運

内容が多岐に渡るのと、現在の経済情勢下での論評は難しいので説明を省く。

 

18.倉庫・運輸関連・通信

インターネット

インターネットを通じた、CAD図面の作成作業や、同じく経理事務などが考えられる。インターネット回線の成約はあれど、インターネット機能を活用したビジネスに関しては、徐々に動き始めている。プロバイダの様なインフラ関係のビジネスではなく、インターネットに依る連絡を活用したサービス業が発展しつつある。

 

19.電力・ガス・サービス

電力・ガスなど

政府管轄の公社が運営。プラント設備などのビジネスは大手商社を筆頭に大企業がほぼ独占。周辺機器の市場は人脈と展開如何で開拓余地はあるが基本的に難しい。

 

20.健康産業

【全貌】日系人向けの医療を含むクリニックは要望が高く、重要な課題である。健康産業の新しいものにはフィットネスクラブなどの健康維持施設がある。インドネシアの伝統的な美容健康保持の方法として、マッサージ、エステティック(ルル)、生薬のジャムゥなどの自然療法関係分野があり、徐々に注目されている。また一年中気候が同じで温暖な特徴を生かす、喘息治療やリハビリ施設などの産業も今後の開発が待たれる。

20.1

フィットネス

都市住民のほんの一部が興味を持っているだけであり、インドネシアを全国的に見るとその必要がない人口が大部分を占める。

また、出産後の腹部のたるみなどは伝統的な治療法があり、一般的にはその目的の為に治療が行われている。

20.2

エステティック

ジャワには昔から結婚式の一月前からエステティックに通う習慣があり、日本人よりも抵抗なくエステティックに通っている。また、一般人でもエステに通えるくらいの低コストである。現在では伝統的手法に加えて、ドロンコ美容なども施術されている。

さらに、エステティシャンは美容師を兼ねている場合が多く、客先の自宅への出張サービスは一般的である。

20.3

マッサージ

整体マッサージと、「ヘルス」マッサージの二種類に大きく分類される。整体マッサージは疲労回復や病気治療に使用されるものである。両者を兼ねている場合もあるが、専門のマッサージ師は整体のみである。

20.4

ジャムゥ

インドネシアの伝統的医薬品で、殆ど全てが内用薬である。町角で簡単に服用出来るように屋台が出ている。日本の薬局方に抵触する医薬品もあるので、輸入の際には成分の詳しい検討などの注意が必要である。

20.5

心霊治療

日本では人口に膾炙していないが、インドネシアではごく普通の治療法で、現代医学では不治といわれる病気や障害の治療を行っている。治療師の殆どはボランティアでやっているため、料金も極めて安く、一般庶民でも気軽に診療を受けられるのが利点。但し専門に分化しているので、病状に合致した治療師を探す必要がある。外国人が長期治療できるような宿泊施設を設けることが、この分野の開発の緒端である。一方、治療旅行の募集に際して、募集要項の内容が医師法に抵触するかどうか、事前に調査する必要がある。

20.6

喘息学校

気候が一年を通じて一定であることと、都市を離れると森林が多く空気がきれいなので、ひどい喘息の子供たちを集めて、転地治療目的に全寮制の学校を作るビジネスも考えられる。

20.7

老人村

これから日本社会が高齢化していくに従って、老人が邪険にされる可能性が高まっていく。インドネシアをはじめとする東南アジアではまだ長幼の序がしっかり根づいているので、老人村を建設してできるだけ元気で専門的な能力のある老人たちの誘致も考えられる。これはインドネシアにとっても老人村を経営する上での労働市場の拡大と、この企業が落とす資本による地域経済規模の拡大、専門能力の地域移植という利点がある。更に、死亡時の遺族の渡航のためのビジネスチャンスも生まれてくる。

 

21.観光業

【全貌】インドネシアは熱帯無風地帯であり、海が穏やかである上、風光明媚な地点があるとともに、バリ島に代表されるような種々の独特な文化がある。

21.1

:芸能

芸能を習得できるような短期間コースと長期間コース

21.2

結婚紹介

嫁・婿不足に対する助言などが行われている。結婚情報サービス会社の設立と運営は今のところ見あたらない。

 

22.民芸品

【全貌】観光の項で述べたように、インドネシアには各種の文化があり、この文化共同体が生産する独自の民芸品も商業ベースに乗るものが多いと思われる。

22.1

被服

絣やバティックなどの布地の製品には、その土地独特の模様がある。これをモダンリビングに持ち込むのも一つの手法である。南洋の太陽下と日本の光の下での色彩には微妙な差がある為、室内装飾家の助言が必要。

22.2

竹細工

ベトナム製品程度まで品質を上げなければ国際舞台での競合はできない。興味深い事にインドネシアには竹箒が殆ど製造されていない。竹箒の製造技術を日本から輸出して、製品を輸入するという手法もありうる。

22.3

銀細工

インドネシア製品には一定の歪みなどがあり均一性に欠ける。この点をきちんと訓練して、世界的に流通する製品を送り出す必要がある。

22.4

金細工

製品の寸法的な品質が悪い。金細工ではイランの方が上手(うわて)であり、工賃もあまり変わらない。



 
 
BACK CONTENTS MENU NEXT
   
    Copyright (C) 2001 TOKADA. All rights reserved.