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35 ニラの人魚 第三章 3 (邂逅)

マナド
  マナドトウアのマクソンの漁はその後かんばしくなかったのでマーク氏もご機嫌が悪い。
家も建てたし暮らし向きも土地の名士だから米国人の要望通りの働きをしないと実入りにも影響する。時間稼ぎのためにあの話もしたら旦那の機嫌も少しは直ったけれどそれがホンダにはならなかった。アレは魚師仲間の符丁でムヨヨワとかモヨニワと呼んでるくらい結構出会っているらしいが俺と同じ理由で黙っているのも知った。小心者とか気が触れたと言われるのは誰だって嫌だから。
ホンダが欲しいからもう少したったらトアンに本当らしく話すのがいい。本当も嘘も、俺は確かに見たのだからまた会ったといっても罰は当たらない。

教授は突然見ず知らずの軍人からの電話で戸惑った。
事がシーラカンスだから一応マーク先生に言っておくべきだと部屋に訪ねた。マーク氏は机に精密な海底地図を拡げてなにやら書き込み中だった。
「NASAから取り寄せた海山地図ですよ。この付近の海中の山脈が描かれています。凄いですねえ複雑で。スラウエシ島の地殻も独特ですが海の中も周りとはぜんぜん違う。
これによるとマナドトウア周辺のドロップアウトには壁に多くの洞穴があるようで、やっこさんはどうもそこに棲息している公算大ですね。不思議な事に捕獲できたのは最初の半年ほどで近頃は。また幼魚が一尾も揚がらないけれど漁師にもがんばって貰わなければ」
「ミスターマーク、たった今その筋からの連絡で、我々以外のグループが魚を捕獲したらしいですよ」
「別のグループっていったい誰です?」
「一報でまだ詳細はわかりませんが、この研究、いやまだ捕獲の段階でしょうが我々だけではないようです。またこれが事実とすればシーラカンスはこの海域全体に生存しているとゆうことです。マナドは漁師が多くマーケットがあり、そこでたまたま貴方が見つけただけで、離島はまだまだ奇妙な事は多いですからねえ、シーラカンスも貴方が見なければ奇妙な怪魚で1万ルピアもしないで長い間埋もれていたわけですから」
マークは神経質に眉間に皺を寄せて答えた。
「確かにおっしゃる通りです。しかし偶然にしろ発見したのは私です。学会だけでなく私の将来もこの魚の研究にかかっています。たかが興味本位でいい加減な人間が出入りするのは困ります。この海域は言うなれば私と教授の独占海域にしなければ」
「そうです。この海には百万年前の怪魚が棲んでいるのですから、調査によってはまだ何が潜んでいるか、謂うなれば宝の山です。宝は我々ふたりのものでなければ」
「そのマキアングループとかをもう少し注意してください。場合によっては市長の力で立ち入り禁止区域に指定しても」
「マキアンはミナハサ州ではなくマルク州ですがその必要があれば」

 

 
 
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