ようこそ!トカダのしっぽへ。画像を読み込むまでしばらくお待ちください
「最低の上司」その一 「最低の上司」その二 「最低の上司」その三
「最低の上司」その四 「最低の上司」その五 「最低の上司」その六
「最低の上司」その七 「最低の上司」その八

1.二言目には経歴や年齢を持ち出し、遠回しに自分は部下より優れているのだと厚かましくも認めさせたがる上司

[解 題]  

 この類の言動は煎じ詰めれば自信欠如の裏返しである。金番板に守られたお陰で重ねた経歴を根こそぎ失い、自分だけしか頼れぬ現実の厳しさに直面出来ぬ人間的な弱さが醜い行動を執らせている。
言われた側の部下は、「俺はおまえより人生の先輩である(だから仕事の面でも自分の方が勝っている)。」と上司の年齢を引き合いに出され、改めて言われると、人生の先輩が実際に過ごして来たのは無駄に飯を食ってきた無為な年月に近いと感じてはいても、それだけの年月を過ごしてはいない若さが妙な具合に邪魔になり、いざ本人を目の前にすると沈然せざるを得ない。更に「俺はおまえより人生経験かある(だから自分の判断は全ておまえより正しい)。」と厚顔無恥にも迫られると、実体が『経験という名の偏見』に堕しているのが解り切ってはいても、且つまた経験と知識とを宣った本人が取り違えているのだと確信してはいても、その厚かましさに気圧されて大半の部下は沈黙してしまう。この上司が置かれている心理状態は言い換えれば逃避願望であって、更に進行すると現状の正確な認識能力を欠き、俗にいう欝状態に陥り、矢鱈と部下に当たり散らす様になる。最悪にもここ迄症状が進んだ楊合には、当該の部暑は荒れ、人心が乱れ、延いては業績が低迷する。
最悪の状態に迄至らなければ、上司が経歴や年齢に寄り所を求め現在を糊塗する侭に任せてしまい、ついでに未来迄をも糊塗する結果になる。上に『自らは何もしない上司』が居座っている限り、楽な方に流れるのが人間の常だから、若い感性と自ら努力しようとする気概もやがて擦り切れて行く。かくして部下は仕事に対する情熱を失い、当該の部署は活力を失い、革新的な発想はおろか、創意工夫の土壌そのものを失ってしまう。

[対 策]

行動基準と判断基準とを自分自身に置くこと。自らに正直であること。そう日々努めることで安易な道を辿るのだけは絶対に避けなければならない。易きに付くのは、往々にして堕落の始まりだからである。
この類の上司についてしまった場合は、上司には基本的に何も期待しないこと。但し貴方が上司を心から思い、且つ又事業部、延いては会社の行く末迄憂うのであるならば、上司と真撃な議論を闘わせる必要がある.会社が従業員を『馬鹿』に落としめてから使うのではなく、高度な教育を施して組織も個人も生かそうとしているのであるならば、論議は疎まれず寧ろ求められる筈である。言い換えれば議論の過程で誇りとか面子などの不要な感情が如何に排除出来るかが、組織の健康状態を示す指標なのである。
上司に過大な期待をしないながらも、何くれとなく仕事上のお願いをすること。そこ迄部下が譲っても行動しようとしない上司であるならば、部下としては身の不幸を呪う外はないが、組織構成上、上司には部下が出来ない仕事を成し遂げる義務と責任とがある。上司の最後の良識に訴えかけなければならない。但し自分の将来を切り開く為にも顧客には決して迷惑を掛けてはならない。従って上司の欠点を補う覚悟と努力とが不可欠になる。考え方によっては、最低の上司とは反面教師として部下を強く成長させる効果を持ち合わせているとも言える。誰でも面倒は嫌である。けれど一度不条理がやって来たのならば決して逃げず、真正面から立ち向かわなければならない。何故なら今嫌っている最低の上司とは、自らに降りかかった困難から真っ先に逃げようとしているひ弱で卑怯な輩なのである。即ち自分が現在置かれている状態から逃げようとするならば、最低の上司と同じ水準に自分が堕するのを認めたと同様なのだから。
Internet Explorer Crescendo Rated with RSAC MAIL TO