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8.部下の正当な指摘を非難としか捉えられず、尚且つ自分たち以外の世代に対峙する時に限って、最低な輩同士異様な連帯感を築く上司。
[解 題]
狭量な人物なのは説明の必要がない。この様な輩が大挙して居る組織の在り方が問題である。蓋し健全な精神状態にある若者の心を窒息死させるからである。
人間の大きさとは相手に対する理解力の広さと深さである。仕事の本質は顧客への誠実さと広い意味ての人間愛である。仕事に依って自己を成長・発展させる限り、本質が歪曲された環境と「仕事」として宛がわれた役割が腐っていれば、人間の大きさが確保される筈がない。親会社から見限られて吐き捨てられた人材が系列会社に堆積してしまったり、会社の成長に付いて行けない古株が、新陳代謝し切れずに残っている、成長力ある企業の状況がこれに当たる。
自分達の無能さを自覚している故なのか、掃き捨てられた輩が二言目には優秀な人材の必要性を説き、採用しようとする。だがそれも絵空事に過ぎず、信じてはならない。彼らは募集要項に本当は以下のように明記したいのだ。「優秀な人材募集。去勢された犬のように忠実で、言い付けを良く守り、決して上司に刃向かわない方。裏で何を言おうと、表面的には始終我々最低の上司の顔色を窺い、ひたすら機嫌取りをしてくれる方。世間一般で言う優秀な人材を使いこなせない当方に、引け目を感じさせず、優越感を抱かせてくれる方大歓迎。尚且つ寄生する我々のために黙々と稼いでくれる方。女性の場合、容姿端麗は言うに及ばず、セクハラなどと言わずに接客業的な寛容な応対を我々上司にしてくれる方に限る。」
彼らの目的は優秀な人材に食わせてもらうという事と、優秀な人材を卑しめ、辱め、潰してしまった挙げ句に、自分たちと同じ卑しい仲間にしてしまうことにある。蓋しそれが奴らの世の中への復讐という訳なのだから。
[対 策]
この様な組織に埋没していながら、一体何を期待しようと言うのだ。その場その場を誤魔化しながら数年やり過ごせば良いような立場の者と、これから何十年と今居る世界で生き、且つ一流になろうとする者が、本当の意味で協調し、組織を発展させるために共闘出来ると期待するのならば、土台甘いと言わざるを得ない。逃げ場のある者は何時かそこに走るものだ。会社組織に居る狭量な人物にとっての逃げ場は、搾取と鉄面皮である。将来を真剣に考える若者ならば決して忘れてはならない現実である。生き方としては幾通りかある。自分も最低の上司に染まり、上司の前では去勢された犬として、部下の前では最低の上司として振る舞い、女房子供のためとのもっともらしい口実の下、人間の尊厳を捨て去ることだ。そうすれば多少のおこぼれに与り、人並みな生活が獲得出来るそうだから。後は定年まで何も考えなくて良い、子供でも送れる安易な人生の時間だけが残る。
卑屈な生き方が出来ないのであれば、会社ば生き物だから、三年なり五年なりの間に変わるか否かの可能性を検討すべきである。変化の可能性がなく、自分が誇り高い人間ならば、辞表を出すべきだ。五年の内に組織が変わる可能性があり、それ迄待てるのならば、じっくり力を付けながら嵐が過ぎる迄特てば良い。但し余り長い間、いわゆるサラリーマンを続けると、転身の仕方を失うことだけは銘記していなければならない。人生は賭けと勝負の連続である。急を要する決断は然程ないが、ゆっくりと確実に折々の決断の結果が現れるのだ。 |
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